ガンと闘う前に -2020年3月-
異国の地でガン宣告されて、ガンと闘う前に強力な敵が現れました。
コロナウイルスです。
2020年の3月でした。大腸がんの手術をする日程を担当医と決めましたが、その頃には私の住んでいたサウスカロライナでもコロナが拡大していました。
手術日が近づくにつれて増えるコロナ患者…
マスクをつける習慣がなかった住民も徐々にマスクを着けるようになり、町中からマスクとサニタイザーが無くなりました。
そして、手術の延期が決まりました。
妻は泣いていました。
私は何も出来ませんでした。
日本の両親にはガンのことは黙っていました。心配かけたくなかったのと、すぐ手術で除去出来ると思っていたので
その間にも蔓延するコロナウイルス…
また延期になるんじゃないかという不安…
妻も1人で抱えきれなくなり、私の両親に連絡することになりました。
相談できる相手ができて妻は少し安心して様子でした。
今思えばもっと早く両親に説明すべきだったと思います。妻は誰にも相談できずに苦しかったはずです。
私は自分のことでありながら、あまり先のことを考えないようにしていましたが、妻はずっと私の事を考えてくれていました。
それから少しずつ妻は元気を取り戻していきました。
その時、病院から連絡があり、二度目の手術延期が告げられました…